Park Side Hygge

幸せってなんだろう?豊かさってなんだろう?雑記ブログでテーマは色々だけど、そんな問いを含んだ方向で書いています。 きっと今は、そんな問い直しをする時期なんだと思うんです。

Hygge?

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娘が、生まれました。

その時、本当に感動したり、心が動かされるような経験があっても、少し時間が経つとその感じが薄らいでいく、、、そんなことがよくあります。それはそれでいいと思うんだけど、この経験は後で思い出せるように、書き留めておかなきゃと思いました。

 

12/20 1:33

娘が、生まれました。

 

 

19日は嫁と二子玉川をぶらぶらして、夜にラーメン食べて帰ってきました。

 

21時ごろ、嫁がお腹の痛みを訴えました。

前駆陣痛(陣痛のフェイントみたいなやつ)はよくあったので、今回もかな?と思っていたのですが、繰り返し起こるのである。5分間隔とかで。

 

5分間隔?陣痛は最初は10分以上の間隔で〜とか聞いてたけど。

 

病院に電話すると1時間くらい様子見てくれとのこと。で、1時間たつとますます激しくなってくる。嫁、立てない状態。というわけでタクシー呼ぶ。

 

エレベーターなし2階から立てない、歩けないような状態の嫁をどうにか担ぐようにして支えてタクシーに乗っけて病院に向かう。なんかもう気合いで乗っけた。4階とかじゃなくてよかった。

 

病院に着くと車椅子が用意されていて分娩室に直行。

あれ?陣痛室で過ごす用に準備したヒーリングミュージックは?テニスボールは?ふかし芋は?バナナは?全部すっ飛ばしての分娩台である。マジか。展開が早い。

 

 

分娩室での旦那の役割とはなんだろう。

 

嫁は助産師さんの指導を受けながら陣痛に合わせて呼吸の仕方を変えたり、力を入れたり抜いたり。

最初は順調でしたが、進んでいくにつれてだんだんと痛みが増してきます。痛い痛いいう声が大きくなります。それを側で見ているのですが、その時の気持ちは正直なところ、かなりしんどいです。嫁は痛がっているのですが、何もしてやれることはなく。ただ横で手を握って、気持ちを一緒にそこに置いてあげることしかできない。

 

それはなかなかしんどいのです。なんならその痛みの半分を引き受けたいのですが、そうもいきません。ただただ自分の無力感というか、それとともに存在しているわけです。

 

泣きそうになりながら、悲痛な声で痛い痛い叫びながら『もう無理です...』という嫁。『頑張れ』なんて言えるでしょうか。僕には無理でした。

 

そんな嫁の脚をバシッと叩いて先生は言う。『聞いて。今頑張らないと、赤ちゃんも自分も苦しいままだから。』

 

全く優しさを感じない言葉だった。でも痛いからってやめることはできないし、赤ちゃんもどんどん危険な状態になる。だから生むしかない。理屈で考えれば当たり前なんだけど。心を鬼にして、生ませようとしてくる。それがこの状況での優しさなのだ。

 

そしてついに生まれた瞬間。嫁と出てきた娘が無事だということを確かめると、僕は急に気持ちが悪く、吐きそうになってしまった。

 

『ああ、ご主人危ないから外連れてって』

という先生のぶっきらぼうな言葉。きっとそういうご主人が多いのだろう。倒れる人も多いと聞く。クソ。こっちは気分が悪いんだ。もっと優しくしろ。

嫁と娘の方が何倍も頑張ったというのに、勝手なものである。結局吐きはしなかったけど。

 

トイレの便座の前に座り込みながら、僕は声をあげて泣いた。涙は出なかった。

出産に感動して泣いたわけではない。血を見て気分が悪くなったのでもない。嫁が痛がっているのを見るのが、とにかく辛かった。実際そばにいる時は応援しているテンションでいるのであまり感じないけど、終わった瞬間どっときたというか。

 

5分ほどして気分が良くなって戻ると、そこには穏やかな様子の嫁と娘がいた。

ああよかった。無事生まれたんだ。本当によかった。

 

 

お産の形は色々あるけれど、僕はご主人の立ち合いを全力で推したいです。

ご主人にできることは大してないですが、いることだけで力になる、、、だそうです。それにしんどい気持ちも味わうと思いますが、逆にそこが大事だと思うんです。

 

『何で嫁にこんな辛い思いさせなきゃいけないんだ』分娩中は心の底からそんなふうに思っていました。でも少し冷静になった今思うと、その感じを一緒に経験できたことって、本当にかけがえのないものなのではないか。 

生まれる前は『親になる覚悟とか全然できてないんだよな〜』 とか舐めたこと言ってましたが、こんなん経験したら一発で親になります。こんなん経験したら大抵のことじゃ揺るぎません。OK俺が親だ。娘は俺が守る。バッチコイ。

 

終わってみれば、陣痛始まってから5時間で生まれるというスーパー安産でした。

嫁は産後の回復に努めていますが元気です。SNSとかする気力はないそうですが生きてます。大丈夫です。

娘ですが全然泣きません。産声は『…うえぁっ』とかだけ。ちょっと心配になりますが大丈夫らしいです。すやすやよく寝る菩薩系です。ええもちろん、超可愛いです。

 

この文章を書きながら、昨夜の出来事がもう既に色褪せ始めているのがわかる。 

あんなに大変な経験だったのに。あんなにすごいことが起きたのに。

それでも書けてよかった。

さっき嫁が『本当に痛かったけど、最高の経験だった』と言っていた。

不思議なんだけど、僕も本当にそう思う。